IZUMANIX
多民族国家マレーシアならではの伝統行事「オープンハウス」。
「オープンハウス」自体が、日本文化であまり馴染みのない慣習ではありますが、
読んで字の如く、“自宅を開放して食事を振る舞うお祝いパーティー”を意味します。
マレー系(60%)、華人系(30%)、インド系(10%)といった民族構成のマレーシア。
例えば、国王や首相が王宮や公邸を一般開放する「オープンハウス」においても、
国籍や人種、宗教も分け隔て無く、誰でもが訪問出来るのも“最大の特徴の一つ”です。
各民族や宗教ごとのお祝い(正月など)によって、一年のうちに何度も行われる「オープンハウス」の中で、
この度は、イスラム教徒のラマダン(断食月)明けを祝うハリラヤにちなんだ「オープンハウス」へ参加。
それでは、2015年8月2日に、ネグリ・スンビラン州 Padang Awam DAERAH REMBAUで開催された、
『ナショナル・アディルフィトリ・オープンハウス』の様子をご紹介します。
■ナジブ首相夫妻も参加する一大イベント『ナショナル・アディルフィトリ・オープンハウス』
今回は、世界11ヶ国から集まったメディアと一緒に、日本のメディアを代表しての出席。
一般客エリアとは別に設けられた、特別席用のPASSを手配して貰いました。
VIP客、メディアも含めた来賓客エリアには、美しくセッティングされたテーブルの数々。
ずらりと並ぶ席数を眺めているだけでも、「オープンハウス」の盛大さを実感します。
各テーブルには、ハリラヤを祝う料理が盛りだくさん。
もち米で出来た「レマン」、お肉をココナッツミルクとスパイスで煮込んだ「レンダン」など...
(分かりやすく言うと)まるで日本のおせちのような特別料理が振る舞われます。
2015年のラマダンに至っては、6月18日~7月16日の期間を指し、
ラマダン明けのハリラヤ初日と2日目(7月17日、18日=ハリラヤ・プアサ)は祝日。
その後1ヶ月近くは国全体がお祝いムードとなることからも、
このようなおめでたい料理やお祝い事が、日本の大晦日やお正月を彷彿とさせます。
ステージの周りでは、きらびやかな民族衣装で着飾った子どもや大人によるパフォーマンスがスタート。
子どもたちも衣装の色合いに負けないくらいの華やかなメイク!とても似合っていますよね。
歌謡曲のような音楽にあわせながら、右手と左手を交互に波打ちさせるようなダンスも特徴的!
足踏みをしながら左右の手を軽く振るダンスは数十分も続きます。
大人たちは一人一人異なる鮮やかな民族衣装。様々なカラーが交わり合うことで艶やかさが増します。
しばらくすると、レッドカーペットの奥が騒がしくなり始め、民族衣装をまとう人々が続々と足早に登場。
あまりの勢いに圧倒されっぱなしだったのですが、この大行列の中心にナジブ首相がいらっしゃいました。
『ナショナル・アディルフィトリ・オープンハウス』は、国を挙げての一大イベント。
なんと、マレーシアの国営テレビにおいても90分間生中継されるのです。
国歌斉唱がはじまると、ステージ上に注目が集まります。
移りゆくスクリーン映像の途中には、第14代マレーシア国王夫妻の写真も登場。
ちなみに、
マレーシアでは任期5年ごとに国王が替わる制度をとっていて、
マレーシアを構成する13州のうち、ペナン・マラッカ・サバ・サラワク州を除いた
9州のスルタン(イスラム世界における首長国の首長)より順番に選ばれるとか。
マレーシアを訪れたことがある方ならば、お土産屋なども含めたあらゆる店先に、
国王と首相の写真が掲げられているのを、一度はご覧になったこともあるはずでしょう。
国歌斉唱後は、ナジブ首相夫妻や各大臣が再び移動し始めるのですが、
彼らを追うように、世界各国のメディアたちも一斉に大移動。
全てが初めての経験であったので、その慌ただしさについていけず(汗)。
それでも、たくさんのメディアに揉まれながら、ブロガーらしい臨場感のある写真が撮れました^^;
ナジブ首相夫妻らがテーブルに着席するだけでも、眩いばかりのフラッシュの数々...。
VIP専用のテーブル席の直ぐ近くには、海外からの来賓客たちだけでなく、
マレーシアの孤児たちも複数名招かれていました。
『ナショナル・アディルフィトリ・オープンハウス』自体は長時間続くのですが、
90分間の国営テレビ生中継の時間帯にあわせ、放送の〆時間にはナジブ首相によるお言葉も。
一年の節目で発せられる国民に向けてのメッセージに、TVの前の視聴者も耳を傾けていることでしょうね。
断食明けの喜びを一緒に分かち合う「オープンハウス」では、
マレーシア独自の素晴らしい食のおもてなしのなかで、踊りや歌での歓迎をうけて、大興奮の一夜!
国民が一丸となって祝い祭る行事に参加したことで、マレーシアの文化や歴史への興味が更に増します。
マレーシア政府観光局がグローバルに掲げるテーマ『マレーシア・イヤー・オブ・フェスティバル』を、
まさに、この身をもって現地で体感出来るという、貴重な経験となりました。
■『Homestay Raya Celebration』では、地元ハリラヤのお祝いの様子を体験
先にご紹介した一大イベント『ナショナル・アディルフィトリ・オープンハウス』とは別日に、
世界11ヶ国から集まったメディアを中心に設けられた、お祝い会の食事をメインにお届けします。
※マレーシア政府観光局総局長 ダト・ミルザ・モハマッド・タイヤブ氏
ビュッフェ形式でおもてなしを受けた、ハリラヤ料理の数々。
もち米で出来た「レマン」、牛肉の煮込みの「レンダン」は、やはりお祝い事に欠かせない料理だと分かりますね。
甘辛のピーナッツソースを付けて食べる、マレーシア風の焼き鳥「サテー」。
近ごろは、日本の飲食店でサテーを食べられる機会も少しずつ増えてきました。
「ビーフン・ゴレン」、「カレー」など...美味しい料理の数々に心も踊ります。
マレーシアでは、マレー料理、ニョニャ料理、インド料理、中華料理があり、
それぞれの民族の特徴を活かした料理をはじめ、多民族ならではの融合した料理も存在。
一年を通じて常夏の気候(日中平均気温は27~33℃)だけに、
蒸し暑い気温のなかでも食欲を沸き立たせるような濃い味付けの料理も多いのですが、
野菜の素材自体を活かした料理もあり、日本人の口にも合うように感じます。
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これらのお祝い事で独自の食文化を学び、異国情緒溢れる余興も楽しみ...
ハリラヤならではの煌びやかなイベントを通して、マレーシアの伝統をより深く触れることが出来ました。
izumin
【まとめ:美食旅 in マレーシア 2015年8月】INDEX