シアトル発着 新造船スター・プリンセスでアラスカを巡る旅

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プリンセス・クルーズの新造船「スター・プリンセス」で巡る、アラスカクルーズ。
今回はシアトルを発着し、アラスカの魅力を凝縮した王道の3大寄港地「ケチカン」「ジュノー」「スキャグウェイ」、切り立った絶壁の山々に囲まれた美しいフィヨルド「ドーズ氷河のエンディコットアーム」を楽しみました。

シアトルの街を横目に、いよいよアラスカクルーズへ出発!

それぞれの寄港地では、プリンセス・クルーズで予約した「寄港地観光ツアー(ショアエクスカーション)」をメインで巡ることにしました。
ツアーは事前にプリンセス・クルーズの専用サイトからも予約可能。ツアー利用者による口コミを比較しながら、簡単にWEB予約ができます。

なにかと慣れない海外エリアで観光地の移動を効率よく楽に済ませたい方だけでなく、きちんとクルーズ船まで送り届けてくれる安心感も寄港地観光ツアーの魅力です。

アラスカクルーズは、どの寄港地でも事前予約が埋まるほどの人気ぶりで、船内の専用デスクも常に賑わっている
目次

スター・プリンセス】アラスカクルーズの寄港地巡り

ネイティブの伝統を受け継ぐ街、ケチカン(Ketchikan)

シアトルを出港し、終日航海日を経て最初に到着したのが、アラスカ最南端の街ケチカン。
インサイド・パッセージ(内陸水路)を北に向かうクルーズ船の最初の寄港地で、下船してすぐの町には観光客向けの店が数多く並び、カラフルな木造建築が目に飛び込んできます。

街にはクリンケット族やハイダ族などネイティブが残したトーテムポールが数多くあります。
古くからサーモンの漁業や開発も盛んで、7月~9月になれば水上遊歩道のクリーク・ストリートでも、桟橋の上からサーモンが泳いでいる姿を目にすることができるのだとか。

よってこの街では、ネイティブダンスのパフォーマンス鑑賞やトーテムポールについて学べる「サックスマン・ネイティブ・ビレッジ」「トーテム遺産センター」への訪問、アラスカの林業を支えたタフな木こりたちに扮したパフォーマー によるショーを楽しむ方も多いようです。

私が選んだ寄港地ツアーは「ミスティフィヨルド&ウェルダネスエクスプローラークルーズ」。
その名の通り、ミスティ・フィヨルド国立公園を大満喫できるツアーで、ケチカンから小型船に乗り込み目的地までの移動時間往復をふくめた約5時間15分のコースです。

小型船内に掲示されていた地図、入りくんだ地形の様子もよく分かる

このコースを選んだのには理由があって、世界でも雨量の多い地域と知られているエリアで、フィヨルドの景観をどこまで拝むことができるのか天候の運試しもしてみたかったから。
小回りのきく小型船での移動だと、大型客船と比べてより陸地の間近に沿って運航されることから、より自然との没入感を味わえると想像していました。

船尾よりフィヨルド

ツアー当日は、想像をはるかに超える見事な快晴! アラスカエリアでこんなにも晴れるなんて、気分も高まります。
迫りくる雄大なフィヨルドを目の当たりにして、感動もひとしお。ツアー参加者たちも、間近に迫るフィヨルドの撮影に夢中でした。

アラスカの代表的な動物である、ブラックベア、マウンテンゴート、ムース、ハクトウワシなども目撃できるエリアでありますが、私が参加した時は、野生のアザラシをちらりと見かけました。
まるで探検隊のような気分になれるのも、野生動物を楽しめるツアーの醍醐味です。

クルーズ船上から、ドーズ氷河のエンディコットアームの絶景を堪能

ケチカンからジュノーへ向かう途中、今回のクルーズの目玉であるエンディコットアームの先にあるドーズ氷河へと向かいます。
寄港地ツアーとは違い、スター・プリンセスに乗船したまま誰でも氷河を眺められるだなんて!
今回のアラスカクルーズ中における最大のハイライトスポットは、霧のない、澄み切った天候に恵まれました。

時間は早朝5時、外洋と比べて陸地も入り組んだインサイド・パッセージ水路域に入れば、波も落ち着いて穏やかで静か。
海というよりも、まるで湖の上をすうっと滑らかに進んでいるかのよう。
新エンジン(LNG燃料など)を採用した最新の新造船だと、振動や騒音も軽減されていることから、より静寂で安らぎ時間が過ぎていきます。

きちんと防寒していたものの冷たい風を全身で浴びていると、次第に自然と涙も出てきて……
どこか研ぎ澄まされたかのような不思議な感覚に包まれていきます。

開けた視界の先には、まるで絵画のような大パノラマの光景が広がっています。
水面はエメラルドグリーンのような色合いがどんどんと濃くなり、時折青く輝く流氷もちらほらと登場してきました。

切り立った険しい断崖絶壁が続くフィヨルドの間をさらに進み、針葉樹とゴツゴツとした岩肌の間を無数の滝が流れ落ちていきます。先に進むにつれて流氷の数は次第に増えていき、より一層、幻想的な景色に包まれていきます。

雪をかぶった険しいフィヨルドと氷河、朝日に照らされるエメラルドグリーンの海とのコントラストに感動

写真や映像だと同じような眺めの連続のようですが、自分の目で見ると小さな違いや変化にも気付くことができます。
目の前で繰り広げられる一期一会の光景、尊さの連続から片時も目が離せません。
実際に現地を訪れた人にしか分からない、特別な時間の流れ。こればかりは一度行ってみないと分からない体験ではないでしょうか。

環境保護のため、一日に入船できるクルーズ客船の数は限られている

スター・プリンセスはドーズ氷河のある最終奥地の手前で停まり、時間をおいてゆっくりと旋回。
広い船内のどの場所にいても過ごしていても、氷河を眺められるような心配りがされています。

神秘的な光景に心を奪われつつも、再び元の水路へと静かに引き返していきます。
一日のうち、ごく限られた船でしか向かうことはできませんが、新造船スター・プリンセスより眺めたドーズ氷河の光景は忘れられない思い出になりました。

氷河とザトウクジラに出合えるジュノー(Juneau)

濃い緑に覆われた山々を背後にダウンタウンの街並みが広がっている

インサイド・パッセージには、陸路ではアクセスできない場所が多く、アラスカ州の州都ジュノーもその一つ。
ジュノーへ来る手段は、船か飛行機のどちらかでしか来られないのだとか。
4~5隻の巨大クルーズ客船が密集して停泊中、大勢のクルーズ客で街は賑わいをみせています。

ジュノーでの滞在時間は昼過ぎから夜遅くまでと比較的長いことが多いため、ヘリコプターでの氷河上空遊覧や氷河ハイキングといった大自然を満喫できるアクティビティにも挑戦しやすいです。

ツアー参加前、少し早めに下船をして、お目当てのキングクラブ(タラバガニ)料理のレストランまで出向くも大行列!
やはり皆さま考えることは一緒なのですね。今回はツアーに参加することもあって断念してしまいましたが、ジュノー訪問時にはぜひ。

私は、14時~19時半「メンデンホール氷河とホエールクエスト」のツアーを体験。
メンデンホール氷河は、市街地から車で約25分ほどの距離にある全長約19キロ、氷壁30メートル氷河。都市からも最も近く、市バスなどを利用できることから、比較的訪れやすい氷河の一つです。

今も少しずつ後退し続けているメンデンホール氷河

ツアーで見られた氷河は湖に面していたごく一部。何万年、何億年という気の遠くなるような時間をかけて押し潰され、積み重なった氷河は神々しく、偉大なる存在として今でも目に焼き付いています。
地球の温暖化が進み、いつまでこの姿が見られるか分からない……切ない気持ちとともに、改めて環境問題についても深く考えさせられます。

氷河自体に上陸はできないツアーへの参加でしたが、さまざまな図解や映像などがビジターセンターでの学びも多く、ジュノーを訪れた際はぜひ訪問リストに。

ジュノー観光として人気が高い、観察船でのホエールウォッチング。
実は人生初体験のホエールウォッチングということで、船着き場へ向かうバス移動中からドキドキでした。

ジュノー近海は夏の間、栄養豊富な海を求めてやってくるザトウクジラの格好の餌場であることから、遭遇率はほぼ100%だとか。
(とはいえ、どれだけの数のザトウクジラと遭遇できるかは、実際に体験してみてからのお楽しみ!)

観察船は仲間の船とも無線で連絡しあいながら、ザトウクジラが現れるであろうスポットを数時間かけて順に巡り続けます。

私の撮影技量では、これが精一杯…改めてプロの野生動物写真家の技術に尊敬!

「ザトウクジラの撮影は、静止画より動画がおすすめ!」と事前に教えて貰った情報通り、スマートフォンの動画撮影にチャレンジ。
ザトウクジラの潮ふきは縦にシュッと噴き上がることから、「その一瞬を逃すまい!」と見知らぬ乗客同士、じっと静かに海面へと目を凝らし続けます。

あまりにも真剣な眼差しで探し続けるのでつい無言になりがちですが、この船上での集中力や一体感自体も良き体験です。
尾びれを高く持ち上げ、水面に強く叩きつける「テイル・スラップ」の様子も含め、3ショットほど動画撮影に成功しました。

スキャグウェイ(Skagway)では国境越えの鉄道旅が楽しめる

3大寄港地のクライマックスを飾るのが、インサイド・パッセージの最北端に位置するスキャグウェイです。

1890年代、カナダ・ユーコン準州での金鉱発見に沸いたゴールドラッシュ。一攫千金を目指した無数の開拓者たちがベースキャンプとしたのが、歴史あるスキャグウェイの街でした。
一帯は「クロンダイク・ゴールドラッシュ国立歴史公園」に指定され、港からすぐの場所にあるダウンタウンでは、風情ある木造建築のホテルや酒場が当時の趣を今に伝えています。

この街で大方のクルーズ乗船客が参加するツアーといえば、「ホワイト・パス&ユーコン鉄道(White Pass & Yukon Route Railroad)」ではないでしょうか。

スキャグウェイを出発し、海抜2,888フィート(標高約880メートル)のホワイトパス頂点を抜け、カナダの税関があるフレイザーまで往復する約3時間ほどのツアーに申し込む方が多いようですが、今回はユーコン準州まで足を延ばす8時間ほどのツアー(注意事項:カナダ・ユーコン準州からアメリカ・アラスカ州へと国境を越えるので、パスポートが必須)を利用しました。

急カーブを曲がるタイミングで絶景とともに撮影するのがおすすめ!

元々はクロンダイク・ゴールドラッシュをきっかけに建設され、一時は鉱石運搬輸送として運営。
その後に一度廃線となったものの、現在ではレトロクラシックな観光鉄道として観光客から親しまれています。

かつて一攫千金を目指した男たちが徒歩や馬で越えた過酷で険しい峠道。過酷な開拓時代に想像を巡らせます。
列車はガタゴトと音を立てながら、トンネルをくぐり抜け、切り立った断崖絶壁や急こう配の坂を崖っぷちすれすれで、アラスカの大自然を横目にゆっくりと駆け抜けていきます。

1901年に完成し、1969年まで使われていた「鋼鉄橋」

路線地図を片手に、車内アナウンスの歴史解説を聞きながらの車窓旅。
列車の速度はそこまで速くはないので、ポイントを把握しながらの撮影もしやすいです。

乗車時のおすすめポイントとして、登り(行き)は進行方向左側がおすすめ。
理由は、窓から見える景色が渓谷側なので、眼下に広がる壮大な大自然、高架橋、滝などの絶景が間近に見える絶好のロケーションが◎

ホワイトパスの頂上近くになると車窓からの景色も一変し、雪に覆われた山々が雄大な姿を現す

カナダ税関所在地のフレイザーを過ぎたら列車内でパスポートの提示を済ませ、その後バスに乗り換えて、クロンダイクハイウェイを北へと走り続けます。

ユーコンでは、カークロスにあるビジターセンターへ軽く立ち寄った後に、観光スポットワイルド・アドベンチャー・ユーコン(Wild Adventure Yukon) へ。
いわゆる文化村のような観光施設で、ユーコンならではの大自然と文化を一度に学び、体験することができます。

ゴールドラッシュやカナダ王室騎馬警察の歴史展示や砂金採り体験、ハスキー犬や牧場動物との触れ合い広場など、特に子供連れのファミリーにぴったりの施設ではないでしょうか。

(写真は一部になりますが)特に野生動物の剥製展示はかなり見ごたえがあり、実物大のマンモスの展示や巨大なホッキョクグマなど、想像していた以上の規模で迫力があります。

ツアーに付随するランチは、チキンウイングをメインとした簡単なブッフェ形式。
グリルチキン、黄金色のローストポテト、コールスロー、ディナーロール、手作りドーナツ、コーヒー、紅茶、または水が用意されていました。

クルーズ船での旅行というと、船上だけの体験を想像しがちですが、鉄道旅好きにもスキャグウェイでの特別体験は見逃せないです。

スター・プリンセス】アラスカクルーズでの気づきなど

アラスカと聞くと、最果ての極寒地、未知なるエリアとも思われがちですが、実は海外クルーズのなかでも地中海やカリブ海クルーズに並ぶメジャーな航路です。
シーズンは5月~9月、アラスカの夏「白夜」と重なる時期で夜遅い時間帯も明るいことから、夜間まで観光を楽しめるのも醍醐味です。

プリンセス・クルーズは50年以上にわたりアラスカクルーズを運航。
「Travel Weekly」読者によって、アラスカ部門で20回もNo.1に選ばれるなど、パイオニアとしての圧倒的な実績と人気の高さもお墨付きです。

自然環境への保護や配慮から、氷河のごく近くまで訪れることのできる客船数は限られているなかで、プリンセス・クルーズは2026年において8隻体制で全180出発、19の寄港地を訪れるアラスカシーズンを展開中。
私が乗船したスター・プリンセスを筆頭に、コーラル・プリンセス、ロイヤル・プリンセス、ルビー・プリンセス、グランド・プリンセス、エメラルド・プリンセス、ディスカバリー・プリンセス、アイランド・プリンセスでアラスカクルーズを提供します。

ナチュラリスト(自然科学者)による解説は英語のみ、写真や地図などのスライドショーも多くて学びが深まる

アラスカ航路限定の文化体験プログラム「ノース・トゥ・アラスカ(North to Alaska)」が組まれ、寄港地でのツアーからスター・プリンセスに戻った後も、地元の木こりや犬ぞりのチャンピオン、ストーリーテラーと交流を深めたり、地元のナチュラリスト(自然科学者)によるアラスカの生態系レクチャーによる学びの機会といった、特別な船内体験も組まれています。

海面の様子をよく観察してみると……ザトウクジラの潮ふきを発見!
船内で双眼鏡の販売も発見!

例えば日中の船内放送で、ナチュラリストが野生動物の出現を伝えてくれます。
双眼鏡を片手に冒険家のような気持ちでそわそわワクワクと過ごしているゲストを多く見かけたりするのも、他の航路との大きな違いかもしれません。

特別なレストランに限らず気軽に利用できるブッフェでも、その日に仕入れた地元産のアラスカシーフード料理を堪能しながら、アラスカならではのクラフトビールを楽しめるのも◎
私が特に気に入ったのが旨みたっぷりのアラスカサーモン。ブッフェだと心ゆくまで好きなだけお替わりできるのも嬉しいです。

空調の効いた暖かい船内キャビンや展望ラウンジなどから、アラスカの大自然を鑑賞できる日々が続く

初めて乗船したアラスカクルーズは、毎日が想像を超える感動の連続! 壮大な大自然のエネルギーに包まれ、心も体も大いに満たされました。

道路が通じていない奥深いフィヨルドや氷河や野生動物の生息地へ、クルーズ船は寝ている間に移動してくれるので体力的な負担は一切ありません。想像していたよりも旅全体のハードルが低く、常に快適で過ごしやすかったことも心に残っています。


またクルーズ旅は、移動・宿泊・食事・エンターテイメント代がパッケージとなっていることから、自力でアラスカ旅行をするよりもはるかにお得。
そして今回は新造船だったこともあり、さらに充実した施設と上質なサービスでさらに快適性が増していました。

安心できる船内環境で、次の目的地まで運んでくれるラクさもクルーズ旅の醍醐味!

船内はいつでも暖かくて居心地よく、日中はカジュアルな長袖一枚で気楽に過ごすことができます。
意外だったのが、フォーマルナイトの装い。大自然を楽しむアラスカクルーズならではなのか? そこまで着飾らず、自由におしゃれを楽しむ方が多かったように思います。

寄港地巡りの防寒対策に関しては、登山の服装に近いレイヤリング(重ね着)や防風・防水性を備えた上着、厚手の帽子やレッグウォーマーなど、脱ぎ着しやすいアイテムがあれば寒さに困るようなこともありませんでした。

ギャングウェイの近くでは、スタンリーとの記念撮影も設けられている

ギャングウェイを利用した乗下船は、どの寄港地でも驚くほどスムーズ。
大勢の乗客を乗せた大型クルーズ客船では、寄港地での下船時に数千人規模の移動が集中するため、たびたび激しい混雑が発生しますが、新造船ではこの点もきちんと対策が練られ解決しています。
そして各寄港地における停泊位置も、プリンセス・クルーズの客船はアクセスの良い好立地な場所が確保されている点にも気が付きました。

長きにわたりアラスカ就航を続けてきたプリンセス・クルーズ。
その歴史が生み出す安心感と、アラスカの大自然の魅力を知り尽くしたインサイド・パッセージの航路は、移動するプロセスそのものが心に残る、最高の船旅でした。

取材協力:プリンセス・クルーズ

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